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サバイバル・ジャパニーズとは?初級学習者向け日本語の考え方
今回は日本語の学習を始めたばかりの人や日本での生活を始めたばかりの人などを対象にした「サバイバル・ジャパニーズ」の考え方や内容、サバイバル・ジャパニーズがなぜ重要なのか、そして一般的な初級日本語との違いなどについて解説します。日本語の初期教育を考える上で重要なキーワードですのでぜひチェックしておきましょう。 目次 サバイバル・ジャパニーズとは? サバイバル・ジャパニーズが重視される理由 具体的な学習内容と場面例 初級日本語教育との違い 登録日本語教員試験対策ポイント まとめ サバイバル・ジャパニーズとは? 日本語を母語としない人が日本語を勉強するとき、まず何から始めるのでしょうか。日本語には3種類の文字があり、ひらがな・カタカナ・そして漢字と、文字の学習だけでもそれなりの時間を要します。 さらに語彙や文法、敬語なども含めると、初級と呼ばれている基礎日本語の習得だけでも一般的には300〜400時間程度の学習が必要と言われています。長期的な学習計画を立てる場合は順を追って学習を進めていくことになりますが、その基礎日本語を習得するまでの間にも、病院や市役所、レストラン、同僚との会話などの日常生活があります。特に日本国内に居住する方の場合は、来日時点での日本語レベルにもばらつきがあり、入国した時点である程度話せるという方もいれば、日本語がほとんどわからない状態で来日する方もいます。 特にこの日本語の学習歴が浅く、まだ初級を学習していない、あるいは学習中の人が学べる「さしあたり、日常生活で今すぐに必要な日本語」、それが「サバイバル・ジャパニーズ」です。 サバイバル・ジャパニーズというのは、複雑な語彙や文法の学習は飛ばして、まずはいったん今すぐにそのまま覚えて使える表現を場面ごとに学び、必要な意思疎通ができるようにするというイメージです。(例:「すみません、これ、いくらですか?」「トイレ、どこですか?」「おなかが痛いです」「私はアレルギーがあります」「○○語、できますか?」「これ、新宿に行きますか?」「~に行きたいです」など) 誰が誰に使っても簡単で明確に伝わる、やさしい日本語に近いものですね。 主な対象者は来日したばかりの生活・就労者、その家族や短期滞在者などです。生活者だけではなく、来日して間もない留学生や短期滞在者、旅行者の方や、「海外在住だけど、趣味で少しだけ簡単な会話をやってみたい」というケースにもこのサバイバル・ジャパニーズを教えることがあります。 サバイバル・ジャパニーズの特徴は、 ・短期速習ができる ・学習者の日常生活、社会生活に直結する ・文法などの複雑な学習を一旦飛ばして、まずはそのまま使える表現を学ぶ という点です。 文法や語彙を一つ一つ積み上げて練習や演習をするには年単位の学習が必要ですが、サバイバル・ジャパニーズは「短い・簡単・今すぐ使える」という「スターターキット」のような役割を果たしますので、比較的負担が少なく学習を始めることができます。 サバイバル・ジャパニーズが重視される理由 日本では留学生、生活・就労者ともに在留外国人数が増加し、学習状況も多様化しています。 日本語学習者と言っても様々で、学校などの日本語教育機関で学習する人だけでなく、地域の日本語教室に通ったり、独学で学習したりする人も多くいます。 「初級から始めるには時間がないのでまずは最低限社会生活に必要な日本語を短期的に学ぶ必要がある」という方、「一時的に仕事などの都合で来日している」という短期滞在の方や、「仕事は他の言語で行っているので日常生活など限られた場面でのみ日本語を使用する」という方にとっても、社会生活の足場架けとしてサバイバル・ジャパニーズが重要です。 留学生や、家族帯同で移住した子どもたちの教育においても、日本での新しい生活に馴染みやすくなるよう、準備教育、初期教育としての「サバイバル・ジャパニーズ」の役割が注目されています。 \お得な期間限定キャンペーン実施中!短期合格を目指す方は今すぐチェック/ 日本語教員試験対策は「合格パック」詳細はこちら 具体的な学習内容と場面例 サバイバル・ジャパニーズの学習では、実際に日常生活で使う語彙や表現を学びます。しかし私たちが普段日常生活で日本語を使っている場面は、挙げればきりがありません。短い期間で必要な日本語を身に付けられるよう、学習者が遭遇するであろう場面を絞り、その学習者に合わせた表現を選びます。サバイバル・ジャパニーズの学習を目的として出版されている教材や教科書もありますが、一般的な総合教科書や文法学習用のものに比べるとそこまで数としては多くありません。地域の日本語教育用にオンラインや各団体・個人で作成されたものが一般に公開・共有され、使用されるケースも多いです。...
サバイバル・ジャパニーズとは?初級学習者向け日本語の考え方
今回は日本語の学習を始めたばかりの人や日本での生活を始めたばかりの人などを対象にした「サバイバル・ジャパニーズ」の考え方や内容、サバイバル・ジャパニーズがなぜ重要なのか、そして一般的な初級日本語との違いなどについて解説します。日本語の初期教育を考える上で重要なキーワードですのでぜひチェックしておきましょう。 目次 サバイバル・ジャパニーズとは? サバイバル・ジャパニーズが重視される理由 具体的な学習内容と場面例 初級日本語教育との違い 登録日本語教員試験対策ポイント まとめ サバイバル・ジャパニーズとは? 日本語を母語としない人が日本語を勉強するとき、まず何から始めるのでしょうか。日本語には3種類の文字があり、ひらがな・カタカナ・そして漢字と、文字の学習だけでもそれなりの時間を要します。 さらに語彙や文法、敬語なども含めると、初級と呼ばれている基礎日本語の習得だけでも一般的には300〜400時間程度の学習が必要と言われています。長期的な学習計画を立てる場合は順を追って学習を進めていくことになりますが、その基礎日本語を習得するまでの間にも、病院や市役所、レストラン、同僚との会話などの日常生活があります。特に日本国内に居住する方の場合は、来日時点での日本語レベルにもばらつきがあり、入国した時点である程度話せるという方もいれば、日本語がほとんどわからない状態で来日する方もいます。 特にこの日本語の学習歴が浅く、まだ初級を学習していない、あるいは学習中の人が学べる「さしあたり、日常生活で今すぐに必要な日本語」、それが「サバイバル・ジャパニーズ」です。 サバイバル・ジャパニーズというのは、複雑な語彙や文法の学習は飛ばして、まずはいったん今すぐにそのまま覚えて使える表現を場面ごとに学び、必要な意思疎通ができるようにするというイメージです。(例:「すみません、これ、いくらですか?」「トイレ、どこですか?」「おなかが痛いです」「私はアレルギーがあります」「○○語、できますか?」「これ、新宿に行きますか?」「~に行きたいです」など) 誰が誰に使っても簡単で明確に伝わる、やさしい日本語に近いものですね。 主な対象者は来日したばかりの生活・就労者、その家族や短期滞在者などです。生活者だけではなく、来日して間もない留学生や短期滞在者、旅行者の方や、「海外在住だけど、趣味で少しだけ簡単な会話をやってみたい」というケースにもこのサバイバル・ジャパニーズを教えることがあります。 サバイバル・ジャパニーズの特徴は、 ・短期速習ができる ・学習者の日常生活、社会生活に直結する ・文法などの複雑な学習を一旦飛ばして、まずはそのまま使える表現を学ぶ という点です。 文法や語彙を一つ一つ積み上げて練習や演習をするには年単位の学習が必要ですが、サバイバル・ジャパニーズは「短い・簡単・今すぐ使える」という「スターターキット」のような役割を果たしますので、比較的負担が少なく学習を始めることができます。 サバイバル・ジャパニーズが重視される理由 日本では留学生、生活・就労者ともに在留外国人数が増加し、学習状況も多様化しています。 日本語学習者と言っても様々で、学校などの日本語教育機関で学習する人だけでなく、地域の日本語教室に通ったり、独学で学習したりする人も多くいます。 「初級から始めるには時間がないのでまずは最低限社会生活に必要な日本語を短期的に学ぶ必要がある」という方、「一時的に仕事などの都合で来日している」という短期滞在の方や、「仕事は他の言語で行っているので日常生活など限られた場面でのみ日本語を使用する」という方にとっても、社会生活の足場架けとしてサバイバル・ジャパニーズが重要です。 留学生や、家族帯同で移住した子どもたちの教育においても、日本での新しい生活に馴染みやすくなるよう、準備教育、初期教育としての「サバイバル・ジャパニーズ」の役割が注目されています。 \お得な期間限定キャンペーン実施中!短期合格を目指す方は今すぐチェック/ 日本語教員試験対策は「合格パック」詳細はこちら 具体的な学習内容と場面例 サバイバル・ジャパニーズの学習では、実際に日常生活で使う語彙や表現を学びます。しかし私たちが普段日常生活で日本語を使っている場面は、挙げればきりがありません。短い期間で必要な日本語を身に付けられるよう、学習者が遭遇するであろう場面を絞り、その学習者に合わせた表現を選びます。サバイバル・ジャパニーズの学習を目的として出版されている教材や教科書もありますが、一般的な総合教科書や文法学習用のものに比べるとそこまで数としては多くありません。地域の日本語教育用にオンラインや各団体・個人で作成されたものが一般に公開・共有され、使用されるケースも多いです。...
日本語教員試験のよくある質問まとめ|独学・通信講座の選び方【短期合格パック】
日本語教員試験(登録日本語教員になるための国家試験)については、「独学で合格できるのか」「対策期間はどれくらい必要か」といった疑問を持つ方が多くいらっしゃいます。このページでは、実際によく寄せられる質問について、結論から順にお答えします。 目次 日本語教員試験対策の通信講座はどこがおすすめですか? 日本語教員試験は独学で合格できますか? 基礎試験と応用試験の対策方法は違いますか? 試験合格に必要な学習期間の目安はどのくらいですか? TCJの短期合格パックはどのような人に向いていますか? まとめ 日本語教員試験対策の通信講座はどこがおすすめですか? 結論:短期間での合格を目指す方には、TCJの「日本語教員試験短期合格パック」がおすすめです。 おすすめの講座は受験者の状況によって異なりますが、短期合格を目指す場合は対策範囲が一つの教材に集約されている講座が効率的です。 TCJの合格パックは日本語教員試験対策に特化した教材で、インプット用の講義だけでなく、演習ゼミ、直前対策、一問一答のクイズアプリまでが一体化されています。加えて、TCJは日本語教師養成講座と日本語学校を自社運営しており、試験で問われる「現場での実務場面を想定した出題」に対応したノウハウを教材に反映できる点が特長です。 日本語教育を専門としない学校(他資格の対策講座や専門学校を運営する事業者)では再現しにくい、実務目線の対策がここには含まれています。 \お得な期間限定キャンペーン実施中!短期合格を目指す方は今すぐチェック/ 日本語教員試験対策は「合格パック」詳細はこちら 日本語教員試験は独学で合格できますか? 結論:独学でも合格は可能です。ただし「独学の中身」によって難易度が変わります。 日本語教員試験は独学でも合格できる試験です。実際に、TCJ合格パック受講者へのアンケートでも、試験ルートで受験した方のうち独学合格者は一定数おり、令和7年度における試験ルート受験者の合格率は59.7%(全国平均は35.9%)という結果が出ています。 ただし、一口に独学といっても、 市販テキストのみで進める独学 通信講座の教材を使って進める独学 とでは、難易度が大きく異なります。特に以下に当てはまる方は、通信講座を使った独学のほうが効率的です。 日本語教育を学び始めたばかりの初学者 現場を想定した応用試験に不安がある方 勉強時間を確保しづらい方 できるだけ短期間で合格したい方 学習スタイル別の比較 学習スタイル 教材費の目安 試験対策...
日本語教員試験のよくある質問まとめ|独学・通信講座の選び方【短期合格パック】
日本語教員試験(登録日本語教員になるための国家試験)については、「独学で合格できるのか」「対策期間はどれくらい必要か」といった疑問を持つ方が多くいらっしゃいます。このページでは、実際によく寄せられる質問について、結論から順にお答えします。 目次 日本語教員試験対策の通信講座はどこがおすすめですか? 日本語教員試験は独学で合格できますか? 基礎試験と応用試験の対策方法は違いますか? 試験合格に必要な学習期間の目安はどのくらいですか? TCJの短期合格パックはどのような人に向いていますか? まとめ 日本語教員試験対策の通信講座はどこがおすすめですか? 結論:短期間での合格を目指す方には、TCJの「日本語教員試験短期合格パック」がおすすめです。 おすすめの講座は受験者の状況によって異なりますが、短期合格を目指す場合は対策範囲が一つの教材に集約されている講座が効率的です。 TCJの合格パックは日本語教員試験対策に特化した教材で、インプット用の講義だけでなく、演習ゼミ、直前対策、一問一答のクイズアプリまでが一体化されています。加えて、TCJは日本語教師養成講座と日本語学校を自社運営しており、試験で問われる「現場での実務場面を想定した出題」に対応したノウハウを教材に反映できる点が特長です。 日本語教育を専門としない学校(他資格の対策講座や専門学校を運営する事業者)では再現しにくい、実務目線の対策がここには含まれています。 \お得な期間限定キャンペーン実施中!短期合格を目指す方は今すぐチェック/ 日本語教員試験対策は「合格パック」詳細はこちら 日本語教員試験は独学で合格できますか? 結論:独学でも合格は可能です。ただし「独学の中身」によって難易度が変わります。 日本語教員試験は独学でも合格できる試験です。実際に、TCJ合格パック受講者へのアンケートでも、試験ルートで受験した方のうち独学合格者は一定数おり、令和7年度における試験ルート受験者の合格率は59.7%(全国平均は35.9%)という結果が出ています。 ただし、一口に独学といっても、 市販テキストのみで進める独学 通信講座の教材を使って進める独学 とでは、難易度が大きく異なります。特に以下に当てはまる方は、通信講座を使った独学のほうが効率的です。 日本語教育を学び始めたばかりの初学者 現場を想定した応用試験に不安がある方 勉強時間を確保しづらい方 できるだけ短期間で合格したい方 学習スタイル別の比較 学習スタイル 教材費の目安 試験対策...
直接受け身とは?動作の影響を直接受ける受身表現について
今回は日本語の「受け身」、その中でも「直接受け身」について解説します。受け身は日本語教育では初級後半で扱うことが多い文型ですが、どのようなポイントを押さえればよいのか、注意すべき点や教え方動詞活用と文構造の変化、意味の分類などについて理解しましょう。日本語教員試験対策として出題傾向も解説します。 目次 直接受け身とは何か 直接受け身の文型と作り方 能動文との違いと対応関係 【試験対策】頻出ポイントと注意点 日本語教育での指導のコツ まとめ 直接受け身とは何か 直接受け身とは簡単に言うと「誰か(何か)が誰か(何か)によって、直接何かをされる」という意味の受け身文です。「(私は)先輩に怒られた」「(私は)先生に褒められた」など、主語が動作主からの動作を直接受けます。 直接受け身の文には対応する能動文があり、能動文と受け身文の書き換えが可能です。 例えば、 先輩(A)が 私(B)を 褒めた(C) →私は 先輩に 褒められた 学生(A)が 先生(B)に 質問する(C) →先生は 学生に 質問された など、「A(動作主)がB(受け手)にC(動作・行動)をする」という文のAとBを入れ替えて作ることができます。 受け身の文型は一般的に初級後半で学習することが多いです。 その中でも直接受け身は動作主と受け手の対応関係が直接的なので英語など他の言語でも翻訳しやすく、学習者にとっては受け身文の中ではわかりやすいと言われています。 ただ、日本語の受け身には動詞の活用があり、文のパターンによっても助詞の変化の仕方が異なります。後に学習する「間接受け身」と合わせると難度が増してくるので、導入に当たってはよく準備してから進める必要があります。 直接受け身の文型と作り方 学習者は受け身文の導入で初めて受け身文を作るための動詞の形、「受身動詞」を学習します。それまでに習っているほかの活用と混同しやすくなりますので注意しながら導入していきます。 1グループ「ます」を取って、その前の音をア段の音に変えます。「れる」をつけて、「a-れる」の形にします。 書きます→書かれます 作ります→作られます 叱ります→叱られます 2グループ「ます」を取って「られます」をつける。 食べます→食べられます 見ます→見られます 借ります→借りられます...
直接受け身とは?動作の影響を直接受ける受身表現について
今回は日本語の「受け身」、その中でも「直接受け身」について解説します。受け身は日本語教育では初級後半で扱うことが多い文型ですが、どのようなポイントを押さえればよいのか、注意すべき点や教え方動詞活用と文構造の変化、意味の分類などについて理解しましょう。日本語教員試験対策として出題傾向も解説します。 目次 直接受け身とは何か 直接受け身の文型と作り方 能動文との違いと対応関係 【試験対策】頻出ポイントと注意点 日本語教育での指導のコツ まとめ 直接受け身とは何か 直接受け身とは簡単に言うと「誰か(何か)が誰か(何か)によって、直接何かをされる」という意味の受け身文です。「(私は)先輩に怒られた」「(私は)先生に褒められた」など、主語が動作主からの動作を直接受けます。 直接受け身の文には対応する能動文があり、能動文と受け身文の書き換えが可能です。 例えば、 先輩(A)が 私(B)を 褒めた(C) →私は 先輩に 褒められた 学生(A)が 先生(B)に 質問する(C) →先生は 学生に 質問された など、「A(動作主)がB(受け手)にC(動作・行動)をする」という文のAとBを入れ替えて作ることができます。 受け身の文型は一般的に初級後半で学習することが多いです。 その中でも直接受け身は動作主と受け手の対応関係が直接的なので英語など他の言語でも翻訳しやすく、学習者にとっては受け身文の中ではわかりやすいと言われています。 ただ、日本語の受け身には動詞の活用があり、文のパターンによっても助詞の変化の仕方が異なります。後に学習する「間接受け身」と合わせると難度が増してくるので、導入に当たってはよく準備してから進める必要があります。 直接受け身の文型と作り方 学習者は受け身文の導入で初めて受け身文を作るための動詞の形、「受身動詞」を学習します。それまでに習っているほかの活用と混同しやすくなりますので注意しながら導入していきます。 1グループ「ます」を取って、その前の音をア段の音に変えます。「れる」をつけて、「a-れる」の形にします。 書きます→書かれます 作ります→作られます 叱ります→叱られます 2グループ「ます」を取って「られます」をつける。 食べます→食べられます 見ます→見られます 借ります→借りられます...
試験ルートで日本語教員試験に合格するための勉強法
登録日本語教員になるための国家試験、「日本語教員試験」。受けてみようかなと考え始めたけど、どうやって勉強していけばいい?そもそもどんな問題が出題されるの?特に難しい部分は?今回は、これから試験ルートで国家試験に向けて学習を進める方に向けて、日本語教員試験の概要や勉強法をお伝えします。ぜひ、自分の学習プランを考える際の参考にしてみてください。 目次 日本語教員試験とは 第1回の日本語教員試験の結果 基礎試験を突破するための勉強法 応用試験を突破するための勉強法 まとめ 参考・引用 日本語教員試験とは 日本語教員試験は大きく二つの部分に分かれています。理論的な知識を問う「基礎試験」と、実践的な知識を問う「応用試験」です。基礎試験では日本語そのものの問題(言語学の問題)や教育学・心理学の理論、日本語教育を取り巻く社会的背景に関する知識などが問われます。そして応用試験ではもう少し具体的に、実際の教室活動や教材の例、学習者の誤用への対処法などの例が提示され、その特徴や妥当性、問題点を判断させるような問題が出されます。応用試験には読解と聴解があり、聴解問題では、学習者の発話を聞いて修正すべき点を判断させる問題や、日本語の発音の仕方やアクセントの型を選ぶ問題などが出されます。 登録日本語教員養成機関の講座を受講すると基礎試験が免除されます(「養成機関ルート」)が、これを受講せず、「試験ルート」で合格を目指す場合、この基礎試験と応用試験の両方を突破する必要があり、それぞれの試験内容に合わせた対策が必要です。 ・基礎試験、応用試験の出題範囲 1)社会・文化・地域 (基礎試験での出題割合:1~2割) 世界と日本 <1>世界と日本の社会と文化 異文化接触 <2>日本の在留外国人施策<3>多文化共生 日本語教育の歴史と現状 <4>日本語教育史<5>言語施策<6>日本語の試験<7>世界と日本の日本語教育事情 2)言語と社会 (基礎試験での出題割合:約1割) 言語と社会の関係 <8>社会言語学び<9>言語政策と「ことば」 言語使用と社会 <10>コミュニケーションストラテジー<11>待遇・敬意表現<12>言語・非言語表現 異文化コミュニケーションと社会 <13>多文化・多言語主義 3)言語と心理(基礎試験での出題割合:約1割) 言語理解の過程 <14>談話理解<15>言語学習...
試験ルートで日本語教員試験に合格するための勉強法
登録日本語教員になるための国家試験、「日本語教員試験」。受けてみようかなと考え始めたけど、どうやって勉強していけばいい?そもそもどんな問題が出題されるの?特に難しい部分は?今回は、これから試験ルートで国家試験に向けて学習を進める方に向けて、日本語教員試験の概要や勉強法をお伝えします。ぜひ、自分の学習プランを考える際の参考にしてみてください。 目次 日本語教員試験とは 第1回の日本語教員試験の結果 基礎試験を突破するための勉強法 応用試験を突破するための勉強法 まとめ 参考・引用 日本語教員試験とは 日本語教員試験は大きく二つの部分に分かれています。理論的な知識を問う「基礎試験」と、実践的な知識を問う「応用試験」です。基礎試験では日本語そのものの問題(言語学の問題)や教育学・心理学の理論、日本語教育を取り巻く社会的背景に関する知識などが問われます。そして応用試験ではもう少し具体的に、実際の教室活動や教材の例、学習者の誤用への対処法などの例が提示され、その特徴や妥当性、問題点を判断させるような問題が出されます。応用試験には読解と聴解があり、聴解問題では、学習者の発話を聞いて修正すべき点を判断させる問題や、日本語の発音の仕方やアクセントの型を選ぶ問題などが出されます。 登録日本語教員養成機関の講座を受講すると基礎試験が免除されます(「養成機関ルート」)が、これを受講せず、「試験ルート」で合格を目指す場合、この基礎試験と応用試験の両方を突破する必要があり、それぞれの試験内容に合わせた対策が必要です。 ・基礎試験、応用試験の出題範囲 1)社会・文化・地域 (基礎試験での出題割合:1~2割) 世界と日本 <1>世界と日本の社会と文化 異文化接触 <2>日本の在留外国人施策<3>多文化共生 日本語教育の歴史と現状 <4>日本語教育史<5>言語施策<6>日本語の試験<7>世界と日本の日本語教育事情 2)言語と社会 (基礎試験での出題割合:約1割) 言語と社会の関係 <8>社会言語学び<9>言語政策と「ことば」 言語使用と社会 <10>コミュニケーションストラテジー<11>待遇・敬意表現<12>言語・非言語表現 異文化コミュニケーションと社会 <13>多文化・多言語主義 3)言語と心理(基礎試験での出題割合:約1割) 言語理解の過程 <14>談話理解<15>言語学習...
ガイルズの「アコモデーション理論」とは?会話調整の仕組みを解説
アコモデーション理論とは、相手や場面に応じて話し方を調整するコミュニケーション理論です。日本語教育や登録日本語教員試験で問われやすいポイントを、具体例とクイズで解説します。 目次 アコモデーション理論とは? 収束(Convergence)とは? 発散(Divergence)とは? 維持(Maintenance)とは? 試験で問われやすいポイント! まとめ アコモデーション理論とは? アコモデーション理論(Accommodation Theory)は、1970年代に社会心理学者のハワード・ガイルズ(Howard Giles)によって提唱されたコミュニケーション理論です。この理論では、人は会話の中で相手との関係性や状況に応じて、話し方や言葉遣い、話す速さ、声の大きさ、アクセントや発音などを無意識または意識的に調整すると考えられています。 この理論は、異文化コミュニケーションや第二言語教育の分野でも広く応用されています。例えば、日本語教師が学習者の理解度に合わせて話す速さや語彙を調整したり、学習者が日本人の話し方に自然と近づけようとしたりする行動も、アコモデーション理論によって説明できます。 アコモデーション理論は、「話し方」は単なる言語能力ではなく、人間関係や社会的な立場を反映する重要なコミュニケーション行動であることを示した理論として、現在も社会言語学や日本語教育の分野で広く活用されています。 次に、アコモデーション理論の重要概念「収束」「発散」「維持」を見ていきましょう! 収束(Convergence)とは? 収束(Convergence)とは、アコモデーション理論において、相手との心理的な距離を縮めたり、親近感や共感を示したりするために、自分の話し方を相手に近づけることを指します。話す速さや声の大きさ、語彙、発音、敬語の使い方などを相手に合わせることで、円滑なコミュニケーションを図ろうとする行動です。収束は必ずしも意識的に行われるとは限らず、自然に相手の話し方に影響を受けることもあります。 例えば、日本語教師が初級学習者に対して、普段よりゆっくり話し、簡単な語彙や短い文を使って説明するのは収束の一例です。また、友人が関西弁で話していると、自分も「ほんまやね」「せやな」と自然に関西弁が混ざることがあります。さらに、職場で相手が丁寧な言葉遣いをしているため、自分も「ありがとうございます」「承知しました」と丁寧な表現を選ぶことも収束といえます。 また、私が仕事で英語を使う際、アコモデーション理論に当てはまる場面があります。 英語のネイティブの方と英語の非ネイティブの方では、無意識のうちに話し方を調整しています。英語の非ネイティブの方と話すときは、相手が理解しやすいように、できるだけ簡潔でシンプルな単語や文を選ぶようにしています。一方、英語のネイティブの方と話すときは、自然な表現を意識しながら、状況に応じてより幅広い語彙や表現を使うようにしています。このように、相手や場面に応じて話し方を調整することも、収束(Convergence)の一例といえるでしょう。 \お得な期間限定キャンペーン実施中!短期合格を目指す方は今すぐチェック/ 日本語教員試験対策は「合格パック」詳細はこちら 発散(Divergence)とは? 発散(Divergence)とは、アコモデーション理論において、相手との違いや自分の立場、所属する集団の特徴を示すために、あえて相手の話し方に合わせないコミュニケーション行動を指します。話し方や言葉遣い、発音などの違いを維持または強調することで、自分のアイデンティティや価値観を表現したり、相手との心理的・社会的な距離を保ったりする目的があります。 例えば、関西出身の人が東京で生活していても、地元への愛着や誇りから関西弁を話し続けることは発散の一例です。また、専門家が一般の人との会話でも専門用語をあえて使い、自分の専門性を示す場合も発散と考えられます。さらに、外国語で話しかけられても、自国の言語で話し続けることで、自分の文化的なアイデンティティを表現するケースもあります。 発散は、相手を拒絶するためだけに行われるものではありません。自分らしさや所属集団への帰属意識を表したり、社会的な役割や立場を明確にしたりする目的で用いられることもあります。 個人的な体験を振り返ってみると、私は仕事の中で「発散」を行わないようにしています。日本語教師としては、相手に分かりやすく伝えることや安心して学べる環境をつくることを無意識で優先していて、自分のアイデンティティや立場を強調する場面はほとんどありません。 一方で、日本語の褒められたときの定型表現である「まだまだです」については、「これは日本では好まれやすい表現ですが、使うかどうかはあなた自身が選んでよいことですよ」と伝えるようにしています。日本文化を理解してもらう一方で、学習者自身の価値観やアイデンティティも尊重したいと考えています。...
ガイルズの「アコモデーション理論」とは?会話調整の仕組みを解説
アコモデーション理論とは、相手や場面に応じて話し方を調整するコミュニケーション理論です。日本語教育や登録日本語教員試験で問われやすいポイントを、具体例とクイズで解説します。 目次 アコモデーション理論とは? 収束(Convergence)とは? 発散(Divergence)とは? 維持(Maintenance)とは? 試験で問われやすいポイント! まとめ アコモデーション理論とは? アコモデーション理論(Accommodation Theory)は、1970年代に社会心理学者のハワード・ガイルズ(Howard Giles)によって提唱されたコミュニケーション理論です。この理論では、人は会話の中で相手との関係性や状況に応じて、話し方や言葉遣い、話す速さ、声の大きさ、アクセントや発音などを無意識または意識的に調整すると考えられています。 この理論は、異文化コミュニケーションや第二言語教育の分野でも広く応用されています。例えば、日本語教師が学習者の理解度に合わせて話す速さや語彙を調整したり、学習者が日本人の話し方に自然と近づけようとしたりする行動も、アコモデーション理論によって説明できます。 アコモデーション理論は、「話し方」は単なる言語能力ではなく、人間関係や社会的な立場を反映する重要なコミュニケーション行動であることを示した理論として、現在も社会言語学や日本語教育の分野で広く活用されています。 次に、アコモデーション理論の重要概念「収束」「発散」「維持」を見ていきましょう! 収束(Convergence)とは? 収束(Convergence)とは、アコモデーション理論において、相手との心理的な距離を縮めたり、親近感や共感を示したりするために、自分の話し方を相手に近づけることを指します。話す速さや声の大きさ、語彙、発音、敬語の使い方などを相手に合わせることで、円滑なコミュニケーションを図ろうとする行動です。収束は必ずしも意識的に行われるとは限らず、自然に相手の話し方に影響を受けることもあります。 例えば、日本語教師が初級学習者に対して、普段よりゆっくり話し、簡単な語彙や短い文を使って説明するのは収束の一例です。また、友人が関西弁で話していると、自分も「ほんまやね」「せやな」と自然に関西弁が混ざることがあります。さらに、職場で相手が丁寧な言葉遣いをしているため、自分も「ありがとうございます」「承知しました」と丁寧な表現を選ぶことも収束といえます。 また、私が仕事で英語を使う際、アコモデーション理論に当てはまる場面があります。 英語のネイティブの方と英語の非ネイティブの方では、無意識のうちに話し方を調整しています。英語の非ネイティブの方と話すときは、相手が理解しやすいように、できるだけ簡潔でシンプルな単語や文を選ぶようにしています。一方、英語のネイティブの方と話すときは、自然な表現を意識しながら、状況に応じてより幅広い語彙や表現を使うようにしています。このように、相手や場面に応じて話し方を調整することも、収束(Convergence)の一例といえるでしょう。 \お得な期間限定キャンペーン実施中!短期合格を目指す方は今すぐチェック/ 日本語教員試験対策は「合格パック」詳細はこちら 発散(Divergence)とは? 発散(Divergence)とは、アコモデーション理論において、相手との違いや自分の立場、所属する集団の特徴を示すために、あえて相手の話し方に合わせないコミュニケーション行動を指します。話し方や言葉遣い、発音などの違いを維持または強調することで、自分のアイデンティティや価値観を表現したり、相手との心理的・社会的な距離を保ったりする目的があります。 例えば、関西出身の人が東京で生活していても、地元への愛着や誇りから関西弁を話し続けることは発散の一例です。また、専門家が一般の人との会話でも専門用語をあえて使い、自分の専門性を示す場合も発散と考えられます。さらに、外国語で話しかけられても、自国の言語で話し続けることで、自分の文化的なアイデンティティを表現するケースもあります。 発散は、相手を拒絶するためだけに行われるものではありません。自分らしさや所属集団への帰属意識を表したり、社会的な役割や立場を明確にしたりする目的で用いられることもあります。 個人的な体験を振り返ってみると、私は仕事の中で「発散」を行わないようにしています。日本語教師としては、相手に分かりやすく伝えることや安心して学べる環境をつくることを無意識で優先していて、自分のアイデンティティや立場を強調する場面はほとんどありません。 一方で、日本語の褒められたときの定型表現である「まだまだです」については、「これは日本では好まれやすい表現ですが、使うかどうかはあなた自身が選んでよいことですよ」と伝えるようにしています。日本文化を理解してもらう一方で、学習者自身の価値観やアイデンティティも尊重したいと考えています。...
間接受け身とは?試験で出る頻出ポイントを紹介
間接受け身は直接受け身よりも構造がやや難しく、迷惑の感情(=迷惑の受け身)や、所有物への影響を受け身で表す(=「所有・持ち主の受け身」)という、特徴的な表現になっています。試験でも狙われるポイントですのでぜひチェックしてみましょう。 目次 間接受け身とは何か 直接受け身との違い 文法構造と使い方のポイント 【試験対策】頻出ポイントと注意点 誤用分析から見る指導のコツ まとめ 間接受け身とは何か 間接受け身とは、話者が動作主の行為の影響を間接的に受けるような受け身文のことです。 間接受け身の大きな特徴は・動作主と受け手の関係が間接的である・対応する能動文がないなど。 「(私は他の人に自分の)服を汚された」「鞄を盗まれた」「日記を読まれた」など、受け手本人ではなくその持ち物などに動作が及ぶ場合や、「優秀な部下に辞められてしまった」のように動作主の行為によって主語(受け手)が間接的に影響を受ける場合などがこの間接受け身になります。 直接受け身との違い 直接受け身は、主語が動作主からの動作を直接受ける受け身文です。 「(私は)先生に呼ばれた」「(私は)母に褒められた」など、「誰か(何か)が誰か(何か)によって、直接何かをされる」という意味の文になります。 直接受け身の文には対応する能動文があり、能動文と受け身文の書き換えが可能です。 母が 私を 褒めた →私は 母に 褒められた 先生が 私を 呼んだ →私は 先生に 呼ばれた など。 一方、間接受け身は動作主と受け手の関係が直接的ではなく、このように対応する能動文を持ちません。 直接受け身の文には対応する能動文があり、能動文と受け身文の書き換えが可能です。 例) 出かけようとしたら、突然雨に降られた。 笑わせようと変な顔をしたら、赤ちゃんに泣かれてしまった。 このような文の場合、直接受け身のように単に動作主と受け手を入れ替えて「✕雨が私に(を)降った」や「✕赤ちゃんが私に(を)泣いた」などと言うことができません。 このように対応する能動文が存在しない受け身の文を「間接受け身」と言います。 間接受け身には「所有の受け身」「迷惑の受け身」などの種類があります。...
間接受け身とは?試験で出る頻出ポイントを紹介
間接受け身は直接受け身よりも構造がやや難しく、迷惑の感情(=迷惑の受け身)や、所有物への影響を受け身で表す(=「所有・持ち主の受け身」)という、特徴的な表現になっています。試験でも狙われるポイントですのでぜひチェックしてみましょう。 目次 間接受け身とは何か 直接受け身との違い 文法構造と使い方のポイント 【試験対策】頻出ポイントと注意点 誤用分析から見る指導のコツ まとめ 間接受け身とは何か 間接受け身とは、話者が動作主の行為の影響を間接的に受けるような受け身文のことです。 間接受け身の大きな特徴は・動作主と受け手の関係が間接的である・対応する能動文がないなど。 「(私は他の人に自分の)服を汚された」「鞄を盗まれた」「日記を読まれた」など、受け手本人ではなくその持ち物などに動作が及ぶ場合や、「優秀な部下に辞められてしまった」のように動作主の行為によって主語(受け手)が間接的に影響を受ける場合などがこの間接受け身になります。 直接受け身との違い 直接受け身は、主語が動作主からの動作を直接受ける受け身文です。 「(私は)先生に呼ばれた」「(私は)母に褒められた」など、「誰か(何か)が誰か(何か)によって、直接何かをされる」という意味の文になります。 直接受け身の文には対応する能動文があり、能動文と受け身文の書き換えが可能です。 母が 私を 褒めた →私は 母に 褒められた 先生が 私を 呼んだ →私は 先生に 呼ばれた など。 一方、間接受け身は動作主と受け手の関係が直接的ではなく、このように対応する能動文を持ちません。 直接受け身の文には対応する能動文があり、能動文と受け身文の書き換えが可能です。 例) 出かけようとしたら、突然雨に降られた。 笑わせようと変な顔をしたら、赤ちゃんに泣かれてしまった。 このような文の場合、直接受け身のように単に動作主と受け手を入れ替えて「✕雨が私に(を)降った」や「✕赤ちゃんが私に(を)泣いた」などと言うことができません。 このように対応する能動文が存在しない受け身の文を「間接受け身」と言います。 間接受け身には「所有の受け身」「迷惑の受け身」などの種類があります。...
登録日本語教員とは?最短で目指す試験ルートのメリット・デメリットと実践研修について
「日本語教師として活躍したいけれど、新しく始まった『登録日本語教員』の資格はどうやって取ればいいの?」 「養成講座に通うべきか、それとも試験を受けるべきか悩んでいる……」2024年4月からスタートした日本語教師の国家資格「登録日本語教員」。資格の取得方法にはいくつかルートがありますが、「仕組みが複雑でよくわからない」という声を多く耳にします。結論から言うと、登録日本語教員になるには「養成機関ルート」と「試験ルート」の2つが基本となります。そして、もしあなたが「費用を抑えたい」「最短で資格を取得したい」と考えているなら、「試験ルート」が非常に強力な選択肢になります。この記事では、登録日本語教員の制度概要から、試験ルートの詳細、見落としがちな「実践研修」の中身、そして各ルートのメリット・デメリットまでを徹底的に解説します。 目次 そもそも「登録日本語教員」とは?制度の概要 【徹底解説】ルートの種類・試験ルートで登録日本語教員になる流れ 見落としがちな難所「実践研修」とは? 「養成機関ルート」vs「試験ルート」メリット・デメリットの比較 試験ルートで最短合格を掴むためのポイント まとめ そもそも「登録日本語教員」とは?制度の概要 「登録日本語教員」とは、国が認めた日本語教師の国家資格です。これまで日本語教師の要件は民間基準(420時間講座の修了、日本語教育能力検定試験の合格など)に委ねられていましたが、日本語教育の質の向上と、教師の社会的地位の確立(キャリアや待遇の改善)を目指し、新たに法制化されました。現在、国が指定する「認定日本語教育機関」で教えるためには、この登録日本語教員の資格が必須となります。資格取得までの基本的な流れは、「国が実施する試験(日本語教員試験)への合格」と「登録実践研修機関における実践研修の修了」の2つをクリアし、文部科学省へ申請・登録を行う形となります。 【徹底解説】ルートの種類・試験ルートで登録日本語教員になる流れ 登録日本語教員になるためのルートは、ご自身のこれまでの経歴や、これからかけられる時間・予算によっていくつかの選択肢に分かれます。 1. ルートの種類 登録日本語教員になるためのルートは、大きく分けると「養成機関ルート」と、一発試験に挑む「試験ルート」の2つが基本となります。さらに、これまでの日本語教師としての実務経験や保有資格(旧試験の合格者など)がある場合は、試験や研修の一部が免除される「経過措置」が用意されています。しかし、これから新しくゼロから目指す方や、最短・最安で資格を取得したい方にとっては、「試験ルート」が最も現実的で強力な選択肢となります。 2. 試験ルートの全体像 試験ルートで資格を取得する場合、学歴などの要件を満たした上で、以下の3ステップを順にクリアしていくことになります。 基礎試験(筆記):日本語教育に必要な基礎知識の網羅 応用試験(聴解問題を含む筆記):現場での対応力や実践的な知識の測定 実践研修(実技・演習):教壇に立つための実技研修 この3つすべてに合格・修了し、文部科学省へ申請することで、晴れて国家資格「登録日本語教員」として登録されます。 3. 日本語教員試験の内容 試験ルートの要となる「日本語教員試験」は、大きく「基礎試験」と「応用試験」に分かれています。(マークシート方式) 基礎試験120分: 日本語教育を行うために必要な基礎的知識が問われます 応用試験150分: 読解(100分)と聴解(50分程度)に分かれて実施されます。現場での対応力など、より実践的かつ深い知識が問われます。...
登録日本語教員とは?最短で目指す試験ルートのメリット・デメリットと実践研修について
「日本語教師として活躍したいけれど、新しく始まった『登録日本語教員』の資格はどうやって取ればいいの?」 「養成講座に通うべきか、それとも試験を受けるべきか悩んでいる……」2024年4月からスタートした日本語教師の国家資格「登録日本語教員」。資格の取得方法にはいくつかルートがありますが、「仕組みが複雑でよくわからない」という声を多く耳にします。結論から言うと、登録日本語教員になるには「養成機関ルート」と「試験ルート」の2つが基本となります。そして、もしあなたが「費用を抑えたい」「最短で資格を取得したい」と考えているなら、「試験ルート」が非常に強力な選択肢になります。この記事では、登録日本語教員の制度概要から、試験ルートの詳細、見落としがちな「実践研修」の中身、そして各ルートのメリット・デメリットまでを徹底的に解説します。 目次 そもそも「登録日本語教員」とは?制度の概要 【徹底解説】ルートの種類・試験ルートで登録日本語教員になる流れ 見落としがちな難所「実践研修」とは? 「養成機関ルート」vs「試験ルート」メリット・デメリットの比較 試験ルートで最短合格を掴むためのポイント まとめ そもそも「登録日本語教員」とは?制度の概要 「登録日本語教員」とは、国が認めた日本語教師の国家資格です。これまで日本語教師の要件は民間基準(420時間講座の修了、日本語教育能力検定試験の合格など)に委ねられていましたが、日本語教育の質の向上と、教師の社会的地位の確立(キャリアや待遇の改善)を目指し、新たに法制化されました。現在、国が指定する「認定日本語教育機関」で教えるためには、この登録日本語教員の資格が必須となります。資格取得までの基本的な流れは、「国が実施する試験(日本語教員試験)への合格」と「登録実践研修機関における実践研修の修了」の2つをクリアし、文部科学省へ申請・登録を行う形となります。 【徹底解説】ルートの種類・試験ルートで登録日本語教員になる流れ 登録日本語教員になるためのルートは、ご自身のこれまでの経歴や、これからかけられる時間・予算によっていくつかの選択肢に分かれます。 1. ルートの種類 登録日本語教員になるためのルートは、大きく分けると「養成機関ルート」と、一発試験に挑む「試験ルート」の2つが基本となります。さらに、これまでの日本語教師としての実務経験や保有資格(旧試験の合格者など)がある場合は、試験や研修の一部が免除される「経過措置」が用意されています。しかし、これから新しくゼロから目指す方や、最短・最安で資格を取得したい方にとっては、「試験ルート」が最も現実的で強力な選択肢となります。 2. 試験ルートの全体像 試験ルートで資格を取得する場合、学歴などの要件を満たした上で、以下の3ステップを順にクリアしていくことになります。 基礎試験(筆記):日本語教育に必要な基礎知識の網羅 応用試験(聴解問題を含む筆記):現場での対応力や実践的な知識の測定 実践研修(実技・演習):教壇に立つための実技研修 この3つすべてに合格・修了し、文部科学省へ申請することで、晴れて国家資格「登録日本語教員」として登録されます。 3. 日本語教員試験の内容 試験ルートの要となる「日本語教員試験」は、大きく「基礎試験」と「応用試験」に分かれています。(マークシート方式) 基礎試験120分: 日本語教育を行うために必要な基礎的知識が問われます 応用試験150分: 読解(100分)と聴解(50分程度)に分かれて実施されます。現場での対応力など、より実践的かつ深い知識が問われます。...
エスノセントリズムとは?異文化理解で注意すべき考え方
エスノセントリズムとは何か。試験に出たことがある用語としての「エスノセントリズム」をしっかり教育現場レベルまで落とし込む事で勉強を勉強だけで終わらせない工夫を提言します。 目次 エスノセントリズムとは何か 日本語教育と異文化理解の関係 文化相対主義との違い 【試験対策】頻出ポイントと関連用語 指導のポイント まとめ エスノセントリズムとは何か エスノセントリズム、英語圏の人類学ではethnocentrismと表現されるこの言葉はethno-つまり民族、文化的集団、人種に関する言葉とcentrism中心主義が合わさった言葉です。「エスノセントリズム」とカタカナでの記載は言葉の成り立ちが少々見えにくくなってしまっているかもしれません。意味は「自分の文化こそがすべて」のように自分が所属する文化をさも中心に捉えて他の文化を判断することです。結果として他の文化を下に見る態度につながることもあります。 私たち日本人はご飯を食べるときお箸を使います。このお箸を使うということが当たり前だとすると食事に箸を使わない文化圏は「野蛮」と考えてしまう可能性があります。このように、自分が所属する文化圏こそが全て、他は悪といった排他的考え方のベースになってしまう見解こそがエスノセントリズムです。 日本語教師として様々なバックグラウンドを持つ外国人学生を相手に教壇に立つとき、エスノセントリズムは単なる文法知識の不足より重大な問題を引き起こす可能性があります。 日本語教育と異文化理解の関係 想像してみてください。あなたは今日初めて学校へ行きました。クラスには色々な言語が飛び交っています。様子を見ながら恐る恐る隣の人に話しかけたらウズベキスタン出身でした。あたりを見渡すとやはりさまざまな国の出身者がいる模様です。授業前の雑談はこれから始まる学習に不安と期待を抱かせてくれました。授業が始まる直前、先生が教室に入ってきました。開口一番「主食がジャガイモじゃない国出身者は話にならん!」と言ったとしましょう。どう感じるでしょうか?それまで持っていた不安や期待はすべて嫌悪に満ち溢れてしまうことでしょう。これはもはや文法の話以前の問題です。 実際ここまで極端な先生はいないと思いますが、日本語教育の現場では様々なバックグラウンドを持つ学生がたくさんいます。むしろ、日本語学校の教室にいる日本人はあなた一人といった方が適切かもしれません。初めて話した日本人があなただった、なんていう学習者が、もしかしたらいるかもしれません。日本人の代表になり得る日本語教師。あなたの考え方が「日本人全体」の印象を決めてしまうかもしれません。エスノセントリズムは注意すべき極めて危険な考え方といっても過言ではないでしょう。 \お得な期間限定キャンペーン実施中!短期合格を目指す方は今すぐチェック/ 日本語教員試験対策は「合格パック」詳細はこちら 文化相対主義との違い では、どういった考え方が健全なのでしょうか。この答えはcultural relativism、文化相対主義です。ざっくり言うと「どの文化にもそれぞれの価値がある」という考え方です。 「主食がジャガイモじゃない国の出身者は話にならん!」と迷言を残した先生の例に戻りましょう。これを聞いた非ジャガイモ国の学生はさぞかし落胆したことでしょう。しかし、もし先生が「えー、ジャガイモもパンも米も麺も等しくうまい!」と言っていたらどうでしょう。そうです。これがcultural relativism、文化相対主義です。 ただ、正確には、 「私はジャガイモが好き!しかし、パン、米、麺が劣っているわけじゃない」 というほうが適切かもしれません。 文化相対主義は、ある文化を文化的背景やコンテクストの中で理解しようとする考え方です。必ずしもその文化を好きである必要はありませんが決して否定的に捉えず、「そういうのもあるよね」としておくスタイルが大事です。そうですね、「好きである必要はないが理解しようと努力してみる」くらいの表現がしっくりくるのかもしれません。 【試験対策】頻出ポイントと関連用語 もし世界が統一されて一つの文化しかなかったら、エスノセントリズムも文化相対主義の考え方も存在しなかったかもしれません。異なる文化があり、異なる文化背景を持つ人々が交流するからそこ、先述の概念が生まれるのです。そして、その異なる文化背景を持つ者たちが交流することを異文化コミュニケーションと呼びます。時として試験用語は必要以上に難しく表現されることがありますが、実は私たちの身近なところにあるごく自然なことだったりすることも多々あります。...
エスノセントリズムとは?異文化理解で注意すべき考え方
エスノセントリズムとは何か。試験に出たことがある用語としての「エスノセントリズム」をしっかり教育現場レベルまで落とし込む事で勉強を勉強だけで終わらせない工夫を提言します。 目次 エスノセントリズムとは何か 日本語教育と異文化理解の関係 文化相対主義との違い 【試験対策】頻出ポイントと関連用語 指導のポイント まとめ エスノセントリズムとは何か エスノセントリズム、英語圏の人類学ではethnocentrismと表現されるこの言葉はethno-つまり民族、文化的集団、人種に関する言葉とcentrism中心主義が合わさった言葉です。「エスノセントリズム」とカタカナでの記載は言葉の成り立ちが少々見えにくくなってしまっているかもしれません。意味は「自分の文化こそがすべて」のように自分が所属する文化をさも中心に捉えて他の文化を判断することです。結果として他の文化を下に見る態度につながることもあります。 私たち日本人はご飯を食べるときお箸を使います。このお箸を使うということが当たり前だとすると食事に箸を使わない文化圏は「野蛮」と考えてしまう可能性があります。このように、自分が所属する文化圏こそが全て、他は悪といった排他的考え方のベースになってしまう見解こそがエスノセントリズムです。 日本語教師として様々なバックグラウンドを持つ外国人学生を相手に教壇に立つとき、エスノセントリズムは単なる文法知識の不足より重大な問題を引き起こす可能性があります。 日本語教育と異文化理解の関係 想像してみてください。あなたは今日初めて学校へ行きました。クラスには色々な言語が飛び交っています。様子を見ながら恐る恐る隣の人に話しかけたらウズベキスタン出身でした。あたりを見渡すとやはりさまざまな国の出身者がいる模様です。授業前の雑談はこれから始まる学習に不安と期待を抱かせてくれました。授業が始まる直前、先生が教室に入ってきました。開口一番「主食がジャガイモじゃない国出身者は話にならん!」と言ったとしましょう。どう感じるでしょうか?それまで持っていた不安や期待はすべて嫌悪に満ち溢れてしまうことでしょう。これはもはや文法の話以前の問題です。 実際ここまで極端な先生はいないと思いますが、日本語教育の現場では様々なバックグラウンドを持つ学生がたくさんいます。むしろ、日本語学校の教室にいる日本人はあなた一人といった方が適切かもしれません。初めて話した日本人があなただった、なんていう学習者が、もしかしたらいるかもしれません。日本人の代表になり得る日本語教師。あなたの考え方が「日本人全体」の印象を決めてしまうかもしれません。エスノセントリズムは注意すべき極めて危険な考え方といっても過言ではないでしょう。 \お得な期間限定キャンペーン実施中!短期合格を目指す方は今すぐチェック/ 日本語教員試験対策は「合格パック」詳細はこちら 文化相対主義との違い では、どういった考え方が健全なのでしょうか。この答えはcultural relativism、文化相対主義です。ざっくり言うと「どの文化にもそれぞれの価値がある」という考え方です。 「主食がジャガイモじゃない国の出身者は話にならん!」と迷言を残した先生の例に戻りましょう。これを聞いた非ジャガイモ国の学生はさぞかし落胆したことでしょう。しかし、もし先生が「えー、ジャガイモもパンも米も麺も等しくうまい!」と言っていたらどうでしょう。そうです。これがcultural relativism、文化相対主義です。 ただ、正確には、 「私はジャガイモが好き!しかし、パン、米、麺が劣っているわけじゃない」 というほうが適切かもしれません。 文化相対主義は、ある文化を文化的背景やコンテクストの中で理解しようとする考え方です。必ずしもその文化を好きである必要はありませんが決して否定的に捉えず、「そういうのもあるよね」としておくスタイルが大事です。そうですね、「好きである必要はないが理解しようと努力してみる」くらいの表現がしっくりくるのかもしれません。 【試験対策】頻出ポイントと関連用語 もし世界が統一されて一つの文化しかなかったら、エスノセントリズムも文化相対主義の考え方も存在しなかったかもしれません。異なる文化があり、異なる文化背景を持つ人々が交流するからそこ、先述の概念が生まれるのです。そして、その異なる文化背景を持つ者たちが交流することを異文化コミュニケーションと呼びます。時として試験用語は必要以上に難しく表現されることがありますが、実は私たちの身近なところにあるごく自然なことだったりすることも多々あります。...
【日本語教員試験】TBLTとは?タスク中心の授業の作り方を知ろう
TBLT(Task-Based Language Teaching)は、文法や文型の習得そのものではなく、日本語を使って具体的な課題を達成することを重視する教授法です。本記事では、TBLTの基本的な考え方、TSLTとの違い、授業の流れ、教師の役割、評価方法について具体例を交えて解説します。さらに、日本語教員試験で想定される出題形式や、試験対策で押さえておきたい関連用語も紹介します。 目次 TBLT(Task-based language teaching)とは? TBLTの活動の流れ 教師の役割とは? 日本語教員試験の出題方法とは? まとめ TBLT(Task-based language teaching)とは? TBLTは「Task-Based Language Teaching」の略で、日本語では「タスクベース・タスク中心の言語教育法」や「課題遂行型の教育法」などと言われます。従来のような文型中心ではなく実践を通して学ぼうという考え方で、実際の言語の使用場面を想定したさまざまな言語活動(「タスク」と言います)を行い、相手に伝えるために試行錯誤をし、講師や周りの学習者からフィードバックをもらいながら取り組む過程を通して言語を習得していく方法です。 文法積み上げ型のアプローチでは「可能形」「条件形」「○○構文の使い方」といった、学習すべき文法・文型が先に設定されており、知識を学んだあとでそれを使う会話練習を行うのが一般的です。しかしTBLTでは、必ずしもこうした順番に沿って学習をするわけではありません。文型の習得を目的に据えるのではなく、「その言語を使って○○をする」という目的のある「タスク」を達成することが目標です。意図を伝え合うことに重きが置かれるため、初めから正確に語彙や文法を使うことは重視されません。 TBLTの指導法 TBLTでは、「今日は○○という文型を学習しましょう」などの導入は行いません。代わりに、「自己紹介をする」「お店で注文をする」「道を聞く」「ミスを謝罪する」「スケジュール調整の依頼をする」などのタスクが設定されます。学習言語を使って具体的な言語活動をおこなうことで、「この時はどう言えばいいんだろう」という疑問が生まれます。タスクを通してなんと言えばいいかわからなかったり躓いたりしたことを、他の学習者と一緒に考えたり教師からのフィードバックを受けたりして「なるほど、こういう言い方があるのか!」「この使い方は違うのか!」と理解し、学習者自らが気づきを得て、活動の中で語彙や文法、必要な表現を身に着けていくという流れです。 教師の側も、文法積み上げ型とは異なるアプローチが求められます。TBLTにおける「教師」とは、前に立って知識を教える人というよりは「学習者の活動を観察し、学習者自身のタスクへの取り組みや気づきを促すファシリテーター」のような役割です。 カリキュラムを組む場合も、簡単な語彙文法から徐々に難度の高いものへとレベルを上げていく文法中心のアプローチとは違い、学習者の学習目的に合わせて「どんなことができるようになる必要があるのか」を洗い出し、「できるようになるべき言語行動」をリスト化して授業で扱うタスクを決め、その場面に必要な語彙文型を抽出する、という流れでカリキュラムを組みます。 「どんなことができるようになるのか」という言葉を聞いてピンときた方もいるかもしれませんが、この「学習言語を使って何ができるか」を中心に言語能力を考える考え方は、まさにCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)や文化庁の「日本語教育の参照枠」で採用されている「Can-do statement」とも共通しています。 現在言語教育の分野では、「従来のような理論重視の学習ではなく、実用的でコミュニケーションに特化した言語教育を進めよう」という流れがあり、タスクベース型を採用するケースが増えています。TBLTが注目されているのは、こうした教育的トレンドの影響もあるのですね。 TBLTとTSLT TBLT(タスクベース型)は既にある程度の学習歴があったり、実際にその国に住んで第二言語として学んでいる学習者にとっては実生活と結びついた形で実践ができるため、普段の生活でも実用性を感じやすいです。しかし、日常的に学習言語に触れる機会がなくインプットが少ない学習者や、文法もしっかり学びたいという学習者にとっては「理屈が分からないのになんとなく話している気がする・・・」「やはりしっかり説明してもらえないと、勉強している手ごたえがない」と感じ、十分に効果が得られない場合もあります。また、進学や就職などで試験が必要な学習者にとっては、進路に必要な知識が十分に身につかないというデメリットもあります。 そうしたケースでは完全なタスクベース型ではなく、語彙文法の学習も取り入れたTSLTという教育法が有効です。TSLTは「Task-Supported Language Teaching(タスク支援型言語指導)」で、TBLTのタスク学習と文法積み上げ型のような練習形態の両方を混ぜた学習法です。タスクに必要な語彙文法・文型を明示的に練習しつつ実践に取り組めるため、言語知識の面もカバーすることができます。...
【日本語教員試験】TBLTとは?タスク中心の授業の作り方を知ろう
TBLT(Task-Based Language Teaching)は、文法や文型の習得そのものではなく、日本語を使って具体的な課題を達成することを重視する教授法です。本記事では、TBLTの基本的な考え方、TSLTとの違い、授業の流れ、教師の役割、評価方法について具体例を交えて解説します。さらに、日本語教員試験で想定される出題形式や、試験対策で押さえておきたい関連用語も紹介します。 目次 TBLT(Task-based language teaching)とは? TBLTの活動の流れ 教師の役割とは? 日本語教員試験の出題方法とは? まとめ TBLT(Task-based language teaching)とは? TBLTは「Task-Based Language Teaching」の略で、日本語では「タスクベース・タスク中心の言語教育法」や「課題遂行型の教育法」などと言われます。従来のような文型中心ではなく実践を通して学ぼうという考え方で、実際の言語の使用場面を想定したさまざまな言語活動(「タスク」と言います)を行い、相手に伝えるために試行錯誤をし、講師や周りの学習者からフィードバックをもらいながら取り組む過程を通して言語を習得していく方法です。 文法積み上げ型のアプローチでは「可能形」「条件形」「○○構文の使い方」といった、学習すべき文法・文型が先に設定されており、知識を学んだあとでそれを使う会話練習を行うのが一般的です。しかしTBLTでは、必ずしもこうした順番に沿って学習をするわけではありません。文型の習得を目的に据えるのではなく、「その言語を使って○○をする」という目的のある「タスク」を達成することが目標です。意図を伝え合うことに重きが置かれるため、初めから正確に語彙や文法を使うことは重視されません。 TBLTの指導法 TBLTでは、「今日は○○という文型を学習しましょう」などの導入は行いません。代わりに、「自己紹介をする」「お店で注文をする」「道を聞く」「ミスを謝罪する」「スケジュール調整の依頼をする」などのタスクが設定されます。学習言語を使って具体的な言語活動をおこなうことで、「この時はどう言えばいいんだろう」という疑問が生まれます。タスクを通してなんと言えばいいかわからなかったり躓いたりしたことを、他の学習者と一緒に考えたり教師からのフィードバックを受けたりして「なるほど、こういう言い方があるのか!」「この使い方は違うのか!」と理解し、学習者自らが気づきを得て、活動の中で語彙や文法、必要な表現を身に着けていくという流れです。 教師の側も、文法積み上げ型とは異なるアプローチが求められます。TBLTにおける「教師」とは、前に立って知識を教える人というよりは「学習者の活動を観察し、学習者自身のタスクへの取り組みや気づきを促すファシリテーター」のような役割です。 カリキュラムを組む場合も、簡単な語彙文法から徐々に難度の高いものへとレベルを上げていく文法中心のアプローチとは違い、学習者の学習目的に合わせて「どんなことができるようになる必要があるのか」を洗い出し、「できるようになるべき言語行動」をリスト化して授業で扱うタスクを決め、その場面に必要な語彙文型を抽出する、という流れでカリキュラムを組みます。 「どんなことができるようになるのか」という言葉を聞いてピンときた方もいるかもしれませんが、この「学習言語を使って何ができるか」を中心に言語能力を考える考え方は、まさにCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)や文化庁の「日本語教育の参照枠」で採用されている「Can-do statement」とも共通しています。 現在言語教育の分野では、「従来のような理論重視の学習ではなく、実用的でコミュニケーションに特化した言語教育を進めよう」という流れがあり、タスクベース型を採用するケースが増えています。TBLTが注目されているのは、こうした教育的トレンドの影響もあるのですね。 TBLTとTSLT TBLT(タスクベース型)は既にある程度の学習歴があったり、実際にその国に住んで第二言語として学んでいる学習者にとっては実生活と結びついた形で実践ができるため、普段の生活でも実用性を感じやすいです。しかし、日常的に学習言語に触れる機会がなくインプットが少ない学習者や、文法もしっかり学びたいという学習者にとっては「理屈が分からないのになんとなく話している気がする・・・」「やはりしっかり説明してもらえないと、勉強している手ごたえがない」と感じ、十分に効果が得られない場合もあります。また、進学や就職などで試験が必要な学習者にとっては、進路に必要な知識が十分に身につかないというデメリットもあります。 そうしたケースでは完全なタスクベース型ではなく、語彙文法の学習も取り入れたTSLTという教育法が有効です。TSLTは「Task-Supported Language Teaching(タスク支援型言語指導)」で、TBLTのタスク学習と文法積み上げ型のような練習形態の両方を混ぜた学習法です。タスクに必要な語彙文法・文型を明示的に練習しつつ実践に取り組めるため、言語知識の面もカバーすることができます。...